『リベリオン』 無駄に洗練された無駄の無い無駄な動き
『華氏451』の記事を書いたので、今回はクリスチャン・ベールがかっこいい映画『リベリオン -反逆者-』を紹介します。
個人的満足度:85/100点
あらすじ
感情がなければ、戦争も起きないじゃない
ネタバレ無しおすすめポイント
①新武術
映画『リベリオン』のレビューなどで、ガン=カタについて述べられていないことがあるでしょうか。この映画のために作られた銃を用いる武術:ガン=カタは明らかに映画史に足跡を、いや、銃痕を残しました。(うまいこといいました。)
②比較
『華氏451』の記事でも書きましたが、この二つの作品は根本のアイディアは同じでありながら世界観もストーリーの進む先もまったく違います。
また、制作年度についても『華氏451』は1966年、『リベリオン』は2002年公開で約40年程の時間差があります。
そもそも『華氏451』のフランソワ・トリュフォー監督はSF嫌い。
ついでに暴力も嫌いなトリュフォー監督(フランソワ・トリュフォー - Wikipedia)とカート・ウィマー監督の発想の起点が大きく離れていることが二つの作品にどう表れているか、どちらの作品を先に見ても、もう一方を見るとより楽しめるのではないかと思います。
↓ 続きはネタバレ有り感想&レビュー
やりすぎ
第一級クラリックのジョン・プリストン(クリスチャン・ベール)、撃ちすぎ、殴りすぎです! 一人あたり何発撃っているんだろうと見ていたら、今度は銃の裏でポコスカポコスカ殴ってもう、絶対無駄が多いと思う。でもそれがいい! 戦闘シーンだけ見直しました。ガン=カタ最高
銃口避け合戦
副総裁デュポン(アンガス・マクファーデン)との戦闘が一番かっこいいのでは? ってぐらいかっこいい。
本を読む
プレストンが本を読むきっかけや感情の取り戻し方もすばらしく、パートリッジ(ショーン・ビーン)や妻の死、メアリー・オブライエン(エミリー・ワトソン)とのやり取りや夕焼けを見るシーンまでの積み重ねで、夕焼けの綺麗さに感動するプレストンの気持ちに同化できました。メアリーの目もプレストンの感情を呼び起こす強さをそなえていました。
感動や喜びも感じないが、怒りや悲しみを感じなくさせる感情制御薬プロジウムを飲む世界、感情の強い起伏が無くなった世界で生きることははたして「生きる」ことなのか。
もっとアクションに比重を置いた作品かと思いきや、アクションの量自体は少なめでその「ガン=カタ」という質で見せ、登場人物の心情、特に少しづつプレストンの感情が動いていく様子を丁寧に描いた作品でした。