『クレイマー、クレイマー』 ~ほんわかパッパ~
原題:『Kramer vs. Kramer』、アヴェリー・コ―マンの小説をもとに脚本も書いたロバート・ベントン監督の映画『クレイマー、クレイマー』を紹介します。
個人的満足度:88/100点
あらすじ
今日から父子家庭。朝ごはんは何がいい?
ネタバレ無しおすすめポイント
①炊事洗濯家事親父
朝ごはんは手軽に作れるものがいいですね。あとは買っておいたチョコドーナッツをパパッと食べたり、コーンフレークを常備しておくのも。
二人暮らしとなったテッド・クレイマー(ダスティン・ホフマン)は、八才の息子ビリー(ジャスティン・ヘンリー)と自分の分、ごはんを作らなければなりません。学校への送り迎えもしなければ。がんばれテッド!
②メリル・ストリ―プ
テッドの妻(元妻):ジョアンナ・クレイマー役のメリル・ストリ―プ、いい役者だなぁとまた思いました。ジョアンナ・クレイマーの持つ名状しがたい感情を何のてらいもなく演じきっていました。
「 映画って本当にいいもんですねぇ」と言いたくなる映画『クレイマー、クレイマー』、おすすめです。
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↓ 続きはネタバレ有り感想&レビュー
クランチィフレンチトースト
おすすめポイントにも書きたかったフレンチトーストというキーワード。あんまり書いて「尋常じゃないフレンチトーストを作る話」だと思われたらどうしようということで上には書きませんでしたが、嗚呼、フレンチトースト!
ジョアンナが出て行ってから最初の朝の日、卵のカラが入るわ、黒こげになるわの「てんやわんやフレンチトースト」を作りあげたテッド。息子のビリーも呆れ気味。
その後、一年半一緒に暮らした二人が最後の朝食として作るフレンチトースト。まさかフレンチトーストを作るシーンで目頭が熱くなるとは思わなかったです。
食事シーン
朝ごはんでは、ほとんど無言でチョコドーナッツを食べるシーンがありました。夕食では玉ねぎとグレービーのソースがかかったステーキを「気持ち悪い」とビリー。チョコチップアイスクリームを食べてしまうビリーは精一杯の反抗心を表したかったのでしょう。
父と子の距離感が食事に表れるため、最後のフレンチトーストがより印象的になります。その間の無言はそれまでの食事中などとは違い、言葉が無くとも作れるほど上手くなったということ、そしてもうすぐ離れ離れに暮らす時間が迫っていることを合わせた無言でした。
ジョアンナ
このまま映画が終わったら、ジョアンナは「やなやつやなやつやなやつ!」状態*1で終わるところでした。
「部屋に書く雲の絵が思い出せない」と泣くジョアンナ。ビリーが住む場所はここだわ、と。それを聞きたかった。そしてその時から、ビリーの養育権を求めるのではなく、ビリーの幸せを願う、本当の母親になったのだと思います。