『デビルマン』 (悪い意味で)奇跡の邦画
最低の映画を語るなら避けては通れない邦画史上に残る大失敗作。
個人的満足度:4/100点
あらすじ
デビルマン、世界を救う。
映画批評家、前田有一氏に「ポスターだけはいい映画」と言わしめたこの問題作、DVDのジャケットやポスターを見るぶんには「まぁ、最低と言っても……」くらいの気持ちでした。実際にレンタル店で借りる時もジャケットを見て、もろもろの噂によって設定された自分の中の期待値を表した低いハードルくらいは越えるだろうと気軽に借りたのです。
ネタバレ無しおすすめポイント
未見の方、見なくてもいいと思います!
ただ、ただですよ、あらかた見たい映画は見尽くしたなぁという方や、最近連続で50点ちょうどくらいの映画を見続けてしまって映画との関係がマンネリ化してしまっているという方、平穏をぶっ壊す作品がここに!
ポイント① 肩肘張って見る必要が無い!
映画『プレステージ』や『シャッターアイランド』などのように「すべてのシーンに謎がある…」「1シーンも見逃してはならない…」なんてことはゼロです。そもそも那須博之監督はスト―リーをまとめるつもりがありませんから、見る側も気楽に肩の力を抜いて見ましょう。
ポイント② 果断なキャスティング!
高校生の不動明かつデビルマン役の伊崎央登、親友の飛鳥了役の伊崎右典、シレーヌ役の冨永愛はいずれも演技初挑戦!あとボブ・サップも特別出演
ポイント③ 製作費10億円!
もったいない!!
以上、三つのおすすめポイントでした。VFXを多用しアニメと実写の融合を目指した那須監督の意欲作、記憶に残る問題作をお望みのあなたに。
↓ 続きはネタバレ有り(?)感想&レビュー
全編棒読み
棒読みのセリフを聞くと吐いてしまう人がいたら視聴中ほとんどマーライオン状態になること請け合いのこの映画、監督は演技指導をしていないのでしょうか。
エピソードブツ切り詰め込みスタイルのストーリー、説明台詞や迫力の無い戦闘シーンは監督、脚本、役者など関係者すべての一番悪い部分を全て引き出した奇跡の映画…!
ネタバレ=ストーリー上の重要な展開部分、ミステリーなどではトリックや犯人は誰かなどといったことだと認識していますが、重要な部分なんてこの映画には無かったです!!(「続きは…」とかいらなかったかもしれませんが一応です…)
空腹は最高の調味料
楽しく映画を見たいと望む映画ファンにとって、つまらない映画はまさに次見る映画への飢餓感をあおる最高のスパイスなのデス。
映画を見る度に「つまらなくはないがそこまで面白くもない」「戦闘シーンはかっこいいけどストーリーに矛盾が…」などといまいち映画を楽しめていないことが多い時期がありました。映画との関係がマンネリに陥ってしまっていたのです。
しかし、デビルマンを見たあとの私は「なんだか何を見ても面白いな!」と映画を見る目が少し変わりました。クソ映画の中のクソ映画である映画『デビルマン』は私が勝手に設定した異常に低いハードルをやすやすと土中を掘って進んでくぐり抜け、私を「面白い映画」から一度突き放すことによって「映画を楽しむ」という純粋な気持ちを思い出させてくれたのです。
乱文失礼いたしました。