『スミス都へ行く』 ~どうせアホどもの天下だ~
フランク・キャプラ監督の映画『スミス都へ行く』を紹介します。
個人的満足度:86/100点
あらすじ
一生皮肉言って終わるのも不幸かもね
ネタバレ無しおすすめポイント
①ダンブルドア先生「愛じゃよ」
人に必要なものはやっぱり愛じゃよ愛。またはスーフォー。スーフォー使ってる? ほらどうしてスーフォー使わないの、スーフォー使っておけばだいたいなんとかなるから!*1
②志を保てるか
いつの時代も、そしてどの国でも政治は腐敗していたんだなぁ ふぐり
↓ 続きはネタバレ有り感想&レビュー
鈴木東京へ行く
スミス(ジェームズ・スチュワート)は何がなんだかわからないうちに議員になってしまうわけですが、彼を議員にしたペイン上院議員やその裏にいる金持ちなんかの思惑通り操り人形のように動いてくれる人間ではなかった!
政界や政治のことはわからずとも、彼には漠然としたものではあるが、この国を良くしたい、次世代を担う子供達にこの国のことを考えてもらいたい、という思いがあった。
熱意は人を変える魔法
新聞記者のディズ(トーマス・ミッチェル)は「どうせアホ(汚い政治家)どもの天下だ」と言い、
サンダース(ジーン・アーサー)は「素晴らしい政治」が行われているだろうと期待してやってきたスミスという田舎者の青二才の秘書なんてやってられないと言う。
しかし、スミスの熱意はサンダースの意識を少しづつ変えていく。後半になって「(スミスのことを)ドン・キホーテだと馬鹿にして笑ってるけど 一生皮肉言って終わるのも不幸かもね」とサンダースは言う。
腐敗した政治家がそのほとんどを占める政界において、純粋に良い政治(献策)を行おうとするスミスはまさに敵が誰か(もしくは何か)を分かっていないドン・キホーテであった。
熱量
人を変えるには熱意だけではなく、熱量も必要だと思う。サンダースを変えたスミスは今度はサンダースから勇気をもらう。勇気とバナナとリンゴを糧にスミスは24時間の演説を敢行する。
何時間も演説するうちにその声は少しづつ弱くなっていくが、弱まるほどに議員たちはその声を、彼の熱意を見過ごせなくなったのではないか。ついに力尽き、スミスが倒れる時にペイン上院議員は変わった。
愛じゃよ
人に必要なものは、組織に必要なものは、何か?
宮城谷昌光氏の小説『草原の風』では
政府も情とおもいやりのあるものにしたい、とかれは考えていた。血がかよっておらず、情のない組織は、どれほど整っていても、けっきょく人民のためにならない
治憲は、藩政改革の目的は、
「領民を富ませるためである」
と明言し、その方法展開を、
「愛と信頼」
でおこなおうとしたのである。
幕府や各藩の改革をみていて、必ずしも成功しないのは、この二つが欠けているからだ、と治憲は思っていた。
人を変えるような熱意や、組織を変えるために背骨として必要なものは何か、それは情とおもいやり、つまり愛じゃよ。
「一番強い魔法は何ですかダンブルドア先生?」「愛じゃよ」
*1:漫画『ピューと吹く!ジャガー』より。用田さんのお言葉(正確ではない)